(仮訳)亜高山-亜寒帯性のコウヤクタケ類、Megalocystidium leucoxanthumの特定および6種の類縁種
Spirin, V. et al., 2021. Identity of the subalpine-subarctic corticioid fungus Megalocystidium leucoxanthum (Russulales, Basidiomycota) and six related species. Plant Ecology and Evolution. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/botbel/plecevo/2021/00000154/00000002/art00008 [Accessed February 6, 2023] 【R3-10312】2023/2/7投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

Megalocystidium leucoxanthumと同定されてきた87点の標本を再検討し、本種の種概念を再確立した。
その結果、本種はAlnus alnobetulaに限って生じる稀産種であることを明らかにし、ヤナギ科など他の植物からの記録を基にM. olensなど4新種を記載した。
また、Aleurodiscus diffissusMegalocystidium属に移した。
Russia, Nizhny Novgorod Region, Lukoyanov Dist., Razino

(新種)

Megalocystidium olens Spirin & Volobuev
語源…臭いのある(子実体のアニス臭から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Megalocystidium leucoxanthum
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりハンノキ属樹木に生じる
本種と異なり子実体が小型でない
本種と異なり子実体の質感が柔らかいという特徴を欠く
本種と異なり子実体形成菌糸層が顕著である
本種より担子胞子が長い
本種と異なりグレオシスチジアが稀という特徴を欠く
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium salicis
同じヤナギ属樹木に生じる
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり温帯域に分布するという特徴を欠く
本種より子実体のサイズがずっと大きい
本種と異なり子実体が膜質で柔らかいのではなく殻皮状で硬い
本種と異なり子実体に常に強いアニス様臭があるという特徴を欠く
本種と異なりグレオシスチジアが稀であるという特徴を欠く
本種と異なりグレオシスチジアがしばしば分化に乏しいという特徴を欠く
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Khabarovsk Region, Verkhnebureinskii Dist., Dublikan Nat. Res.

(新種)

Megalocystidium pellitum Spirin & Kotiranta
語源…皮の(子実体の質感から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Megalocystidium leucoxanthum
同じハンノキ属植物に生じる
肉眼的に識別不能なほど類似している
子実体形成菌糸層が顕著である
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり東アジアおよび北米ではなく全北区に分布する
本種より担子器のサイズが明瞭に小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Leningrad Region, Boksitogorsk Dist., Goryun

(新種)

Megalocystidium perticatum Spirin & Volobuev
語源…枝に生じる
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Megalocystidium leucoxanthum
顕微鏡的形態がほぼ同一である
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体が厚い
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium salicis
子実体が殻皮状
子実体の質感が頑丈である
子実体にアニス様の臭いがあることがある
担子胞子の平均長が類似することがある(この種の老成した子実体において)
シスチジアが少なくとも一部は突出する
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種ほど稀な種でない
本種より子実体が厚い
本種と異なり子実体が老成時帯赤色~帯褐色
本種と異なり子実層面が平滑ではなく老成時明瞭な瘤状かつ顕著な亀裂状
本種と異なり子実体の臭いが微かまたはそれを欠くのではなく顕著な臭いがある
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russia, Leningrad Region, Podporozhie Dist., Vazhinka

(新種)

Megalocystidium salicis Spirin, Miettinen & K.H. Larss.
語源…ヤナギ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Megalocystidium perticatum
子実体が殻皮状
子実体の質感が頑丈である
子実体にアニス様の臭いがあることがある
担子胞子の平均長が類似することがある(この種の老成した子実体において)
シスチジアが少なくとも一部は突出する
ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より稀な種である
本種より子実体が薄い
本種と異なり子実体が老成時帯赤色~帯褐色でない
本種と異なり子実層面が老成時明瞭な瘤状かつ顕著な亀裂状ではなく平滑
本種と異なり子実体に顕著な臭いがあるのではなく臭いが微かまたはそれを欠く
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium olens
同じヤナギ属樹木に生じる
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり温帯域に分布する
本種より子実体のサイズがずっと小さい
本種と異なり子実体が殻皮状で硬いのではなく膜質で柔らかい
本種と異なり子実体に常に強いアニス様臭がある
本種と異なりグレオシスチジアが稀である
本種と異なりグレオシスチジアがしばしば分化に乏しい
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium leucoxanthum
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤナギ属樹木に選好性を示すという特徴を欠く
本種と異なり子実体の質感が頑丈でない
本種と異なり子実層面が時に瘤状でない
本種と異なり子実体形成菌糸層が顕著である
本種より担子胞子の平均長が長い
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Conferticium ravum
同じヤナギ属樹木に生じる
肉眼的形態がほぼ同一である
本種と異なりヤマナラシ属樹木に生じる
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり担子胞子に装飾を有する
本種と異なり菌糸にクランプを欠く

(新組み合わせ)

Megalocystidium diffissum (Sacc.) K.H.Larss. & Spirin
旧名:Aleurodiscus diffissus (Sacc.) Burt
mycobank_logoSpecies_Fungorum

(その他掲載種)

Megalocystidium leucoxanthum (Bres.) Jülich
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Megalocystidium perticatum
顕微鏡的形態がほぼ同一である
ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体が薄い
ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium salicis
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヤナギ属樹木に選好性を示す
本種と異なり子実体の質感が頑丈である
本種と異なり子実層面が時に瘤状である
本種と異なり子実体形成菌糸層が顕著でない
本種より担子胞子の平均長が短い
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Megalocystidium olens
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりハンノキ属樹木に生じるという特徴を欠く
本種と異なり子実体が小型である
本種と異なり子実体の質感が柔らかい
本種と異なり子実体形成菌糸層が顕著でない
本種より担子胞子が短い
本種と異なりグレオシスチジアが稀である
ITS+nrLSU、ITS、tef1、ITS+tef1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Megalocystidium luridum (Bres.) Jülich
ニセキカワタケ
mycobank_logoSpecies_Fungorum